病気になって療養が必要となった時、あなたならどこで過ごしたいですか?
現在、病院に通院または入院中で、これから自宅で過ごしたいと希望している方のために「在宅診療」という選択肢があります。病院の主治医や地域連携室のソーシャルワーカーと連携しながら、「かかりつけ医」として自宅での療養をサポートさせていただきます。

在宅医療・訪問診療とは

在宅医療・訪問診療とは

在宅医療・訪問診療とは

医師が定期的にご自宅に伺います。在宅医療(訪問診療)とは、お一人で通院が困難な患者様のお宅に医師が定期的に診療にお伺いし、計画的に健康管理を行うものです。
定期訪問に加え、緊急時には「在宅救急医療」として30分以内で対応、必要に応じて臨時往診や入院先の手配などを行います。
訪問診療の目的は病気の治療だけではありません。転倒や寝たきりの予防、肺炎や褥瘡(床ずれ)などの予防、栄養状態の管理など、予測されるリスクを回避し、入院が必要な状態を未然に防ぐことも重要な役割です。
わたしたちは地域の病院や介護事業者の方々と連携・協力しながら、患者様が在宅で安心して療養生活を続けられるよう、在宅患者様を総合的にサポートします。

介護サービスとの連携

在宅医療においては、病気の治療よりも、療養環境の整備が先決であると考えております。どんなに高級な治療も、患者様が安心して療養できる環境がなければ、治療効果は期待できません。
わたしたちは「介護の現場を知る医療機関」として、ご家族や介護者・施設運営者の方々との積極的な協力関係を通じ、よりよい療養環境づくりに参加させていただきたいと考えています。

  • 主治医意見書や各種指示書の作成
  • ケアマネージャーやご家族様への診療情報の提供(居宅療養管理指導)
  • ケアプランに合わせた診療計画の調整
  • 担当者会議・退院前カンファランスへの参加
  • 難病申請・公費助成・成人後見の診断書作成など
  • 施設に入居されている患者様の場合、施設運営者との円滑な連携と支援方針の共有

後方支援病院との連携

在宅で安心して療養を続けるためには、万が一の際に入院や検査を受け入れてくれる病院の協力が必要となります。
当院では、地域ごと、患者様ごとに高度医療機関と連携し、緊急時のバックアップ体制を確保するよう努めています。

  • 緊急時の入院受け入れ
  • CT・MRIなどの画像診断、内視鏡などの精密検査
  • 在宅医療では対応できない専門医による診察や治療

対象となる方

通院が困難な方

  • 寝たきり、準寝たきり状態で通院が困難
  • 通院に付き添いが必要
  • ご家族が薬だけを取りに通院している
  • 認知症でお困りの方
  • 在宅にて医療処置、管理を必要とされる方

さまざまな障害をお持ちの方

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血)などの後遺症で障害をお持ちの方
  • 難病や重度障害をお持ちの方

医療処置が必要な方

  • 床ずれ(褥瘡)処置
  • 留置カテーテル(尿の管)の交換、管理
  • 経管栄養(経鼻、胃瘻、腸瘻)のチューブ交換、管理
  • 輸液(点滴、中心静脈栄養)のルート交換、管理
  • 在宅自己注射指導管理(インスリンの自己注射)
  • 在宅酸素
  • 気管切開(気管カニューレの交換)
  • 在宅人工呼吸器管理
  • 侵襲的な処置や専門的な処置の場合、ご紹介元医療機関と連携し適切な対応を取ります。

終末(ターミナル)期をご自宅で過ごされたい方

  • 患者様がその人らしく最期まで、ご家庭で過ごせるように疼痛の管理や緩和ケアをさせていただきます。

施設に入所中の方

  • 施設入所中で、通院の困難な方

費用について

訪問診療は健康保険適用です。健康保険の自己負担が費用としてかかります。 介護保険の要介護認定を受けている方は、居宅療養管理指導の1割が別途かかります。

居宅療養管理指導の内容

要支援・要介護状態等にある利用者が居宅において自立した生活を営むことができるよう、医師が訪問して病状、心身の状況、置かれている環境等を把握し、居宅介護支援事業者・ケアマネジャーに居宅サービス計画等の作成に必要な情報を提供するとともに、利用者及び家族の方に療養上の管理・指導・助言等を行います。

利用料について

1月に2回を限度として、介護保険報酬に応じた利用者負担額(1割)がかかります。

診療費用の目安

下記は費用負担分の概算です。病状によって変動する場合がございますのでご不明な点はお問い合わせください。

対象 負担割合 月2回訪問 負担額上限
70歳~ 1割 約6,000円 12,000円
3割 約18,000円 44,400円
~69歳 3割 約18,000円 高額医療費

交通費、相談費は一切頂いておりません。

  • 保険診療ですので各種健康保険を利用頂けます。
  • 検査を行った場合は別途検査代が必要です。
  • 介護保険利用者は居宅療養管理指導料として約500円が必要になる場合があります。
  • 院外処方になりますので薬剤費は別途必要です。

訪問診療料のお支払いについて

毎月末日に1か月分の訪問診療料をまとめ、翌月中旬に請求書を郵送させていただきます。お支払い方法は、銀行の口座振替になります。

在宅診療開始までの流れ

  1. ご相談

    お電話もしくはFAXにてご相談ください。ご本人様、ご家族様、ケアマネジャー様、介護事業者様、病院関係者様、どなたでもご相談を承ります。

  2. 面談

    面談を行い、患者様の病状やご希望を確認いたします。その上で往診の頻度や曜日、時間帯の調整を行います。
    病状によっては面談と同時に診察を行う場合もございます。

  3. 診察開始

    定期往診サービスを開始します。ご家族様やケアマネジャー様、訪問看護ステーション様にご協力をいただき、緊急時には随時訪問して診療を行います。

  4. 毎月「在宅療養計画」にて治療方針をお伝えします。

診療エリア

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